橘田尚之
KITTA naoyuki

 

2010 3月15日(月)〜3月27日(土)
ギャラリー檜A,B,C 

橘田尚之展

作品  テキス

奥行き 視線 空洞 (立体から絵画へ)

ときわ画廊の壁は、かぎ括弧型―『―だった。壁の正面に立つと、側面の壁は遠近法に従い斜めから見た形となった。この単純なことに1979年の個展で気づいた。1981年の個展では、正面の壁に貼った四角いアルミ板の前に、楕円形(円を斜めから見た形)の板を立てかけ、二面の壁を一つにして、壁に囲われた空間を暗示しようとした。その後、楕円形から紡錘形を作ったことで作品が自立するようになり、絵画的な奥行きを持つ立体を目指すことになった。また、これらの作品は視線を表面に誘う性質があることに気づいた。

 酸化皮膜を施したアルミ二ウム板で作った立体の内部は空洞である。一目見ればそれとわかるので視線は内部に行かず、錆の斑紋や斜めの構成等により表面を滑る。視線を風に例えると表面の形状により浮力が生ずるのではないかと思えた。作り続けるうちに、このような身体感覚を伴った視線を得られる絵画を作りたいと考えた。

 絵画での空洞の具体化は二つの方向を生んだ。窪地や穴を描いた油彩と、キャンバスに穴をあけた作品である(キャンバスを切り抜き、アルミ板を嵌め込むと、空洞にふたをしたような気がした)。絵画を見る視線は内在するものを求めて、絵画の奥に入っていこうとする。しかし空洞が暗示されているので視線は横に逸れ、メデュームのざらつきや艶を感じながら表面を滑ることになる。

参照:橘田尚之による(「林檎の悦楽」プレイボックス46美術手帳11月号1985)(編集部によるインタビュー「橘田尚之―アルミが飛ぶとき」作家訪問 美術手帳8月号1987)(ドローイング’90「視線の航海」読売新聞 夕刊4/21 1990)

 

 

 

 

 

2008年個展

平面作品に立体作品の制作方法を援用してきた。
その一つに錆がある。立体のアルミ板の白い錆は、 人工的に作る。アルミから泡がわき上がり錆が表面 を覆っていく過程には、目を見張るものがある。
  平面作品にもこのような現象から生まれた色を持ち込み たくて、酸化や合成によってキャンバス上で作ってきた。
  最近、絵画への興味が強くなり、絵の具も使いだした。 油絵の具は酸化して硬化するが、当然錆は生まれない。 しかし描くことで絵画内部からわき上がり、その表面 を覆う何かが現れることを期待している。

 

 

 

 

 

2006年個展

紙片をホッチキスでとめながら、でき上がりの立体の形を思い浮かべようとするのだが、なかなかイメージできない。形はもとより、白いからっぽの立体の印象はつかみ所がないからだ。このような形で立体作品を作ってきた。
  今は平面作品に重点を置いているが、立体の時と同じような作り方をしたいと思っている。立体の時の紙片の代わりが、自分の立体作品の形だ。しかし平面の上に作られる形は、平面空間になじみやすく、そこに簡単に飲み込まれてしまうことが多い。立体の時のような、からっぽで、寄るベない形を作りたいと思っている。

 

 

2004年個展

絵画

壁の表面に厚みのある空間を感じ
立体作品を作って来た。
最近、壁は目の中に出来たようだ。
日頃見たものが
網膜のスクリーン上に留まり、視線を塞ぎ、
壁のように周りに立ちはだかっている
と感じられる。
手で触れる事のできないその壁は、
立体では補足できない。
絵画ならそれが可能かも知れないと思い、
幾重にも重なった映像を
一枚一枚写し取ってみた。

 

 

 

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